訪問看護の関わりを、
事例でご紹介します
訪問看護のかたちは、利用される方の状態やご家族の状況によって一人ひとり異なります。
医療的なケアだけでなく、日々の生活や想いに寄り添いながら、その人らしい暮らしを支えることが私たちの役割です。
実際の事例を通して、どのように関わり、どのような安心につながっているのかご紹介iいたします。
症状:処方されたお薬をご本人の判断で中断しており、入退院を繰り返しながらご自宅で過ごされていました。足の浮腫みや呼吸の苦しさが悪化し、再度入院となりました。
ご本人の想いを傾聴し、再入院しないために処方されたお薬を正しく服用することが大切であることを、呼吸苦や下肢浮腫などの症状に関連付けて説明いたしました。飲み忘れを防ぐために1週間分のお薬カレンダーご自宅で使用してもらい、訪問時に訪問看護看護師がお薬の仕分け、飲み忘れの確認をいたしました。
症状:仕事のストレスより心身ともに疲労し入院となりました。入院中は混迷状態が続き、ほぼ寝たきりの状況でした。退院後は、関節の動きが制限されて身体を動かしづらい症状がみられ、入院に至った経緯を振り返ることも難しい状態であったため、在宅生活を整える目的で訪問看護が開始となりました。
精神症状の支援として、日常生活や趣味活動などご本人が担える役割を少しずつ増やしながら、ご自宅での生活を継続できるよう生活リズムの再構築を行いました。当初はご本人のみでの実施でしたが、次第にご家族も訪問時に参加されるようになり、在宅生活を一緒に支える関わりが生まれていきました。
在宅での生活基盤が整い、身体も動かせるようになり精神症状も落ち着かれて、ご本人とご家族のみで生活を継続できる状態となったため、訪問看護を卒業されました。
症状:日常生活動作の低下に伴い通院が困難になってきていることにお悩みでした。膀胱留置カテーテルを挿入しており、カテーテルが閉塞するトラブルが頻発していました。ご本人も旦那様もご高齢で、身体の状態変化に対して不安が大きい状況でした。
訪問看護では月1回の膀胱留置カテーテル交換や、週2回膀胱、陰部洗浄を行いました。誤嚥性肺炎を発症した際に、補液や抗生剤投与、酸素の投与・管理、吸引も行いました。末梢静脈ラインの確保が困難な場合には、主治医の指示のもと皮下注射での対応も行いました。訪問看護の対応だけでは限界があった、ご家族へ点滴交換や吸引の指導を分かりやすく丁寧に行い、ご家族の協力も得ることができました。
トラブル防止のため、主治医をはじめケアマネージャーや福祉用具事業所など多職種との連携を図り、連絡を密に取り合いました。
多職種との連携により、状態が変化した際に、迅速に対応できスムーズに治療を行うことが可能となりました。ご家族の協力もあり誤嚥性肺炎は治癒し、現在も在宅で穏やかにご本人らしい生活を送ることができています。
症状:入院中で倦怠感が強いため、体を動かすことが少なく表情も乏しく寝たきりの状態でした。腎瘻を増設した直後のため、毎日の消毒・ガーゼ交換が必要でした。
食事中のむせりがあり食事量も低下し、徐々に状態は悪化傾向でありました。入院前から自宅で最期を迎えたいとのご本人の意向があり、ご家族もご本人の希望を叶えてあげたいとの想いがありました。
ご本人がお庭の景色が眺めるのが好きとお話があり、ご家族やケアマネージャーと相談して、お庭が見えるお部屋にベッドを設置しました。ご家族に介護の経験がなかったため、食事介助やオムツ交換の実施方法などの指導も行いました。
ご本人の状態の変化に対してご家族が不安なお気持ちであったため、ご家族の想いや不安を傾聴し、その都度、現在のご本人の状態や予測される今後の変化などを資料を使用しながらご説明しました。
ある日、ご家族から呼吸が止まっていると連絡あり、往診医に連絡し死亡確認となりお亡くなりになりました。ご家族が様子を確認した際は、ご本人はスヤスヤ寝ており苦しんでいる様子はなく、呼吸が止まっていた時も穏やかで少し微笑んでいる表情だったと、ご家族に教えていただきました。
症状:髄膜炎により排泄障害を合併し、ご自身の意思で排泄を行うことが膀胱瘻を増設されましたが、急に下半身が動かなくなり回復することが難しい状況を受け入れ難い様子でした。カテーテル管理や合併症予防が必要な状態でしたが、自身での管理が難しくトラブルが頻繫しており、排泄管理のために毎週タクシーを利用して受診されていました。
当社が24時間対応体制を取っているため、随時の電話相談やカテーテルのトラブルにより計画外の訪問も行いました。ご本人やご家族でもカテーテルの管理ができるように、管理の方法の説明と支援を実施しました。
症状:足の爪の先端が周りの皮膚を刺してしまい、傷ができて化膿していました。ご本人は糖尿病の症状により痛みへの感覚が鈍っていたため、症状が進んでおり爪の手術が必要となりました。
手術後は、注意欠陥多動性障害の特性からご自身で傷口のケアが十分に行えず、感染症などのリスクが高い状態でした。
特別訪問看護指示書の期間中は、術後の処置を丁寧に実施するとともにご本人の理解度や特性に合わせて、繰り返し・視覚的に分かりやすい説明を行いながらご本人で処置ができるように支援を行いました。
ご本人が今できること大切に寄り添いながら関わることで、少しずつご自身で処置に取り組めるようになりした。
医療的処置だけでなく、「できる力」を引き出す支援が継続的な安定につながりました。
